次の日、私は号泣していた。
「おばちゃん、寂しいよ」
「何言ってるの、美弥ちゃん。おばちゃんはいつでもここに居るから、なんか有ったら帰っておいでね」
そう言って、私に風呂敷包みを渡した。
「何??」
「お弁当さぁ。こんな事しか出来ないから」
そう言って、少し恥ずかしそうにしているおばちゃん。
「お~~ば~~ちゃ~~~ん」
私は涙が止まらない。
「美弥ちゃん、新しい出発さ。もう泣かんと、強くなるんでしょ」
おばちゃんは私の背中を叩く。
私は涙を手で拭って頷いた。
「又、来るからね」
「今度来る時は、彼氏も一緒に連れてきんさいね」
私は胸を張って答えた。
「うん。おばちゃん、ありがとう」
もう泣かないよ。
私は大きく手を振っておばちゃん家を後にした。
1度も振り返らなかった。
振り返ったら、泣いてしまいそうだから……
決心が鈍ってしまいそうだから……
私はおばちゃんから貰った風呂敷包みを、ぎゅっと胸に抱きしめた。
私、生まれ変わったんだ。