「ダメ、今言っちゃダメ!!!」

純は驚いた顔をしてる。

「私、頑張って治すから。強くなって帰って来るから。だから、その時までは……」


本当はすごく嬉しいんだよ。


今すぐに抱きつきたいんだよ。


でも純は宝物だから、こんな形で始めるなんてもったいなさ過ぎるんだ……

純は優しい顔でうなずく。

「わかった」

「1ヶ月…1ヶ月で帰る。待ってなくて良いから……私を覚えてて」

純は私を抱きしめた。

「ば―か。ったりまえだろ!!忘れたくても、心配で忘れられねーよ」


最後くらい、甘えて良いよね?


私は抱きしめられたまま、純の鼓動を感じていた。


生きている証。


純の心地良い低音が響く。



「美弥、俺ずっと待ってるから……」



私は、嬉しくて胸の中で頷いた。