剛力くんは、水沫くんをほっとけない

俺の目の前には、“すいま”がいる。

水沫、と睡魔。両方を兼ね備えている男は、教室の中で机に日突っ伏し寝ている。

クラスのみな、担任でさえもハラハラと状況を見守っている。
俺と、水沫を。

「ご、剛力くんっ、それは水沫くんがっ……」
誰かが言ったが、俺は構わずみなが見てる中手を振りかざした。
「るせぇ!こうでもしねえと……気が済まねえんだよ‼︎」

____クシャっ……。

俺は、水沫が持っていた、買ってから何時間も立って悲惨な姿になったとんかつサンドを手に取り、買ったばかりのトンカツサンドと交換した。

「……こんなんじゃ、水沫が起きた時後悔するだろ。だったらこっちのがマシだ。文句あっか?」

俺はシワシワになったカツサンドの袋を開けて食べる。……できたてが食べたいとは思わずに入られない。

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「お前、ほんと良く食べるのな。飽きねえのかよ?ああ?」
下校中、隣で歩いている水沫に問いかける。

「飽きない。……お腹空いたから、剛力のご飯食べたい」
「ああ?んなこと言ってんじゃあねえよ。……まあ食べてえなら食ってけ」
「……不良なわりに、女子力、というより家庭力……高いよね。ごーりき……」
「あ?俺は女子じゃねえからよぉ。んなわけねえだろ⁉︎たかが家事ぐらいできるだろ⁉︎」

俺がそういうと、水沫は俺からすっ………と視線を外して、虚しそうな目をしていた。まるで、俺はできないと言っているかのように。

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次の朝。水沫がくつ箱を開いて閉めた。
……何してんだ?

ひょこっととなりの水沫の靴箱を除くと、俺は目を見開いた。
「……は?なんだこれ」

そこには、上靴の上に【果たし状】とごつい墨字で書かれている、縦長の紙がおいて合った。
俺はそれを手にとると、ビリビリ破って、ゴミ箱に入れた。

「よし、行くぞ」
「……いいの?」
「ああ、イタズラに興味を持ったらダメだ」

水沫は何も言わず頷いた。

「あいつ……」
この時、後ろから見ていた人物に気付かずに……。