転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 期末試験の結果が返ってきた。

 三人で、放課後の誰もいない教室で結果を見せ合った。


「今回は僕の勝ちだな」

「ぐう……」

「悔しい! エミリに負けても悔しくなかったけど、こいつに負けると悔しい!!」


 本気で悔しがるルイに、リオンは「ふふん」と上から笑った。


「そういうわけだからクリスマスデートをしよう。エミリの家の近くにあるモールでどうだろう」

「いいよ」

「馬鹿勇者はその間、リリアさんと掃除に励むといい」

「……クリスマスケーキ、おなしゃす」


 ムスッとした顔でルイが私を見上げた。


「わかった、買って帰るね」

「やった。ピカピカにしとくぜ」


 大掃除をしておいてくれるなら、ケーキくらい買って帰らないと申し訳ない。

 私は負けたのにやってもらっちゃうわけだし。


「リリアさんと掃除か……久しぶりだな」

「そうなのか?」


 リオンが首を傾げた。


「うん。俺、前世は教会付属の孤児院で育ってるからさ。半年に一回くらいシスターたちと大掃除してたんだ。厳しいんだよなー」


 そう言いながらもルイは笑顔だ。その気持ちは分からなくはない。

 私だってふとしたときに「あ、これ前世でもあったな」って嬉しくなるときがある。

 ママの鼻歌を聞いたときとか、ルイが走り出す後ろ姿とか、リオンが真剣な顔で本をめくっているときとか。


「夜には総一郎がケーキとプレゼントを持って行くと言っていた」

「そうなんだ。じゃあケーキはいらないかな」


 ルイを見たら、すごい勢いで首を横に振った。


「それはそれ、これはこれ。エミリが選んでくれたやつがほしい」

「それは僕もほしい」

「じゃあ、ショートケーキを買って帰るよ。掃除の後のおやつってことで」

「あとプレゼントもほしい」

「図々しい勇者だな」

「リオンは欲しくない? エミリからのクリスマスプレゼント」

「ほしいが?」

「だろー!」


 二人が期待した顔で私を見た。そんな顔されたら、嫌とは言えない。


「しょうがないな。二人も私に用意してね」

「おう」

「期待してくれ」


 楽しいなあ。

 クリスマスが待ち遠しくて仕方ない

 やっと、平和になった気がした。