「あ、もしもし、リオン? 今いい?」
『エミリか。もちろんかまわない。何かあったか?』
「今ルイと電話してたから、リオンがどうしてるかと思ってかけた」
『ああ……馬鹿勇者はどうするんだ?』
電話の向こうのリオンの声は、いつもどおり落ち着いているように聞こえた。
だから私もゆっくり話す。
「決めたってさ。リオンは?」
『僕は……僕に拒否する権利はないだろう。そもそもが僕の過ちなのだから』
「そう? あのね、私は今が楽しいよ」
『そうなのか?』
怪訝そうなリオンに、できるだけ笑顔で答えた。
スマホ越しじゃ見えてないけど、それでも。
「うん。前世では高等学校なんて通えなかったし、ママと一緒に生活もできなかった。でも今リオンやルイと学校に通えて、ママが待ってる家に帰れるのがすごく幸せなの。魔族も野盗もいないし、毎日お風呂に入れる。恐ろしい魔王でしかなかったリオンと、ちゃんと向かい合って話すことができた」
そのまま一気に言いたいことを言ってしまおう。
「ありがとう、リオン。あなたが私をここに連れてきてくれて、すごく嬉しい」
返事はない。
遠くで嗚咽のようなものが聞こえるけど、私はなにも言わないで待つ。
『……エミリ』
「うん」
『ごめん、ありがとう。……僕は、君を好きになってよかった』
「そう言ってもらえると私も嬉しい。真野さんも言ってたけどさ、高校に入ってからのことは忘れないんでしょう? だから、大丈夫。文化祭終わったし、もう少ししたらハロウィンだよ。そのあと遠足があるし、クリスマスもある。二年になったら修学旅行だって。リオン、楽しみだね」
『ああ、そうだな。……そのためにも、やらなくては』
「そうだね。私たちにしか、できないことだから」
『また二人に勇者と聖女の役目を負わせてしまって申し訳ない』
「他の人がよかった?」
『まさか』
電話の向こうからリオンの笑い声が聞こえた。
よかった、もう大丈夫だ。
「じゃあ、ルイと真野さんと、いつにするか決めよう。早い方がいいんでしょう?」
『ああ。総一郎に確認する』
電話を切って、ベッドから降りた。
ママに、おはようを言いに行こう。
『エミリか。もちろんかまわない。何かあったか?』
「今ルイと電話してたから、リオンがどうしてるかと思ってかけた」
『ああ……馬鹿勇者はどうするんだ?』
電話の向こうのリオンの声は、いつもどおり落ち着いているように聞こえた。
だから私もゆっくり話す。
「決めたってさ。リオンは?」
『僕は……僕に拒否する権利はないだろう。そもそもが僕の過ちなのだから』
「そう? あのね、私は今が楽しいよ」
『そうなのか?』
怪訝そうなリオンに、できるだけ笑顔で答えた。
スマホ越しじゃ見えてないけど、それでも。
「うん。前世では高等学校なんて通えなかったし、ママと一緒に生活もできなかった。でも今リオンやルイと学校に通えて、ママが待ってる家に帰れるのがすごく幸せなの。魔族も野盗もいないし、毎日お風呂に入れる。恐ろしい魔王でしかなかったリオンと、ちゃんと向かい合って話すことができた」
そのまま一気に言いたいことを言ってしまおう。
「ありがとう、リオン。あなたが私をここに連れてきてくれて、すごく嬉しい」
返事はない。
遠くで嗚咽のようなものが聞こえるけど、私はなにも言わないで待つ。
『……エミリ』
「うん」
『ごめん、ありがとう。……僕は、君を好きになってよかった』
「そう言ってもらえると私も嬉しい。真野さんも言ってたけどさ、高校に入ってからのことは忘れないんでしょう? だから、大丈夫。文化祭終わったし、もう少ししたらハロウィンだよ。そのあと遠足があるし、クリスマスもある。二年になったら修学旅行だって。リオン、楽しみだね」
『ああ、そうだな。……そのためにも、やらなくては』
「そうだね。私たちにしか、できないことだから」
『また二人に勇者と聖女の役目を負わせてしまって申し訳ない』
「他の人がよかった?」
『まさか』
電話の向こうからリオンの笑い声が聞こえた。
よかった、もう大丈夫だ。
「じゃあ、ルイと真野さんと、いつにするか決めよう。早い方がいいんでしょう?」
『ああ。総一郎に確認する』
電話を切って、ベッドから降りた。
ママに、おはようを言いに行こう。



