洞窟内に転がっていた無数の石ころや岩が浮き上がり、芹香の頭上で一つに集まり大きな塊を作っていく。
「ひぃっ!」
「せ、芹香! お、落ち着くんだ、私が悪かった!」
芹香の目は曇り、虚ろに宙を見つめているだけで、亮二の声は届かない。その間にも頭上の塊は大きくなっていく。すでに芹香の体よりも大きな岩となっていた。
「華狐の霊力がこれほどとは……」
膨れ上がる岩を見上げる鵺の顔は、歓喜に満ちていた。
「いいぞ、華狐。両親の敵を己の力で討て!」
「……ゆる……さない……!」
「──芹香!」
塊が亮二たちめがけ動き出したとき、芹香の名を呼ぶ声が辺りに響き、意識が引き戻された。
「っ、……え?」
自分は今、なにをしようとしていたのか、疑問が頭に浮かんだ瞬間、芹香と亮二たちの間に大量の石や岩がけたたましい音を立てて落ちてきた。
「きゃっ」
「うわぁ」
地面に落ちて弾んだ石が亮二達にぶつかる。幸いにも芹香の方が距離があり足元に転がっただけで済んだが、それを自分が作り、亮二たちにぶつけようと……殺そうとした自分の恐ろしさに、芹香はその場に頽れた。
それを、鵺が近寄り腕に抱き抱え、声のした方へ睨みを効かせる。周りにいた他の鵺も一様に同じ方へと向き直り犬歯をむき出しにして威嚇を始めた。
「これはこれは! 九宝嶽の気高き霊獣、霊狐さまではございませんか」
「ひぃっ!」
「せ、芹香! お、落ち着くんだ、私が悪かった!」
芹香の目は曇り、虚ろに宙を見つめているだけで、亮二の声は届かない。その間にも頭上の塊は大きくなっていく。すでに芹香の体よりも大きな岩となっていた。
「華狐の霊力がこれほどとは……」
膨れ上がる岩を見上げる鵺の顔は、歓喜に満ちていた。
「いいぞ、華狐。両親の敵を己の力で討て!」
「……ゆる……さない……!」
「──芹香!」
塊が亮二たちめがけ動き出したとき、芹香の名を呼ぶ声が辺りに響き、意識が引き戻された。
「っ、……え?」
自分は今、なにをしようとしていたのか、疑問が頭に浮かんだ瞬間、芹香と亮二たちの間に大量の石や岩がけたたましい音を立てて落ちてきた。
「きゃっ」
「うわぁ」
地面に落ちて弾んだ石が亮二達にぶつかる。幸いにも芹香の方が距離があり足元に転がっただけで済んだが、それを自分が作り、亮二たちにぶつけようと……殺そうとした自分の恐ろしさに、芹香はその場に頽れた。
それを、鵺が近寄り腕に抱き抱え、声のした方へ睨みを効かせる。周りにいた他の鵺も一様に同じ方へと向き直り犬歯をむき出しにして威嚇を始めた。
「これはこれは! 九宝嶽の気高き霊獣、霊狐さまではございませんか」

