「お前の村に、霊力の強い人間──お前と両親が居ることは知っていたが、村自体が九宝嶽から流れる霊狐の霊気で守られていて、なかなか俺たちのような下級の妖は近づけないんだ。どうしたものかと様子を伺ってたら、なんとお前の叔父から話を持ち掛けられた。お前たち家族を殺してくれ、とな」
言葉を失っている芹香を見て、鵺は声をあげて笑った。
「お前の両親は実に美味だった。そして、あの二人よりも遥かに霊力の強いお前が早く熟れるのを今か今かと待っていたのに霊狐なぞに横取りされおって……なんと忌々しい」
ちっと嫌悪感を露わに舌打ちをする。
「まぁよい。またこうしてお前を手に入れたのだからよしとするが」
「……う、うそ……」
「嘘ではないよなぁ、人間」
鵺が亮二を見た。芹香もそれにつられるように叔父たちを振り返る。
「嘘ですよね? 両親を殺すために鵺と手を組んだなど、でたらめですよね⁉」
三人は身を寄せ合い、鵺から、芹香から視線を逸らすように俯いていた。
「叔父さま、叔母さま? 嘘だと……嘘だと言ってください!!」
洞窟内に芹香の悲痛な叫びが響き渡った。
「嘘だなんて言えないよなぁ。血の盟約を交わした以上、こいつらは俺の前で嘘はつけないんだ」
無言を貫く亮二たちに、芹香は鵺の言葉を認めざるを得ないことを知る。
愛する両親が事故ではなく、叔父によって鵺に差し出されたという事実がずっしりと芹香の中にのしかかった。昔から叔父たちが自分たち家族をいい風に見ていないのは感じていた。だけどまさか、殺すほど憎んでいたとは……。
言葉を失っている芹香を見て、鵺は声をあげて笑った。
「お前の両親は実に美味だった。そして、あの二人よりも遥かに霊力の強いお前が早く熟れるのを今か今かと待っていたのに霊狐なぞに横取りされおって……なんと忌々しい」
ちっと嫌悪感を露わに舌打ちをする。
「まぁよい。またこうしてお前を手に入れたのだからよしとするが」
「……う、うそ……」
「嘘ではないよなぁ、人間」
鵺が亮二を見た。芹香もそれにつられるように叔父たちを振り返る。
「嘘ですよね? 両親を殺すために鵺と手を組んだなど、でたらめですよね⁉」
三人は身を寄せ合い、鵺から、芹香から視線を逸らすように俯いていた。
「叔父さま、叔母さま? 嘘だと……嘘だと言ってください!!」
洞窟内に芹香の悲痛な叫びが響き渡った。
「嘘だなんて言えないよなぁ。血の盟約を交わした以上、こいつらは俺の前で嘘はつけないんだ」
無言を貫く亮二たちに、芹香は鵺の言葉を認めざるを得ないことを知る。
愛する両親が事故ではなく、叔父によって鵺に差し出されたという事実がずっしりと芹香の中にのしかかった。昔から叔父たちが自分たち家族をいい風に見ていないのは感じていた。だけどまさか、殺すほど憎んでいたとは……。

