きみのたったひとつの光にになれますように

目が覚めると、そこは真っ白な天井だった。太陽はすでに昇っている。今日は死ねるかな、でも私、男の子助けたんだっけ。ゆっくりと体を起こす。ソファの上で寝たから、体のあちこちが痛んだ。今日もいつものように、鳥が一日の始まりの合図をしている。時刻は午前九時、昨夜は十九時に寝てしまったから、十四時間ぐらい寝てしまったことになる。そういえば、今日も学校があるのなら、大遅刻している事になるのではと思ったが、そういえば昨日は終業式だったから、おそらく今日から冬休みだろう。ソファから立ち上がると、頭がズキズキと痛んだ。おそらく、昨日から何も食べてないからだ。でも、不思議とお腹は空いていない。真冬の冷たいフローリングを踏みしめながら、寝室に行き、ゆっくりとドアを開ける。
「渚くん、起きてますか、おはようございます」
そう言うと、渚くんはゆっくりとこちらを見た。その表情はあまりにも痛々しかった。泣いていたのだろうか。瞼が赤く腫れている。
「おはようございます。昨日はありがとうございました」
「体、診ますね、ちょっと待ってください」
そう言って渚くんに近づいた。
「少しお身体失礼します」
そう言って胸に耳を近づけ、胸のあちこちを手で押さえて様子を調べる。肺の動きが少し弱っているように思えた。
「少し、肺が弱っているかもしれません。今日もよければここで休んでいってください。私は冬休み中なので、ずっと家にいますし、一人暮らしなので親もいませんので安心してください」
そう言うと、渚くんは目を見開いた。
「....いいんですか、迷惑じゃありませんか」
「そんなことはないです、私はあなたの体が心配なので、回復するまでいくらでもここに居てもらって構いません」
そう言った途端、突然渚くんの瞳から、一粒の涙が零れた。
「なぜ、僕なんかのことを...知ろうともせずに助けてくださるのですか。」
「うーん...、何があったのかは知りませんが、それを無理して話す必要はないと思いますし、私も、いつか話してくれたらいいなという程度にしか考えていませんので」
そう言うと、渚くんは泣いた。瞼を赤くして、涙が干からびるまで、まるで小さな子供のように泣いていた。私は無言で背中をさすり、落ち着くのを待っていた。十五分ほど経つと、渚くんはようやく落ち着きを取り戻した。
「落ち着きましたか、何があったのかはいつ話してもらっても大丈夫ですので、今はゆっくり体を休めてください。では、私はあっちの部屋に行きますね」
そう言って部屋を出ようとした時、呼び止められた。
「......美羽さん」
初めて渚くんに名前を呼ばれたし、久しぶりに誰かに名前を呼ばれたので、少し驚いた。もう一度ベッドに戻って腰掛ける。
「どうされましたか」
「.....僕のこと...話してもいいですか」
「全然大丈夫ですよ。ゆっくりでいいですから、何があったのか話してください」
そう言うと、渚くんは一息ついた後、ゆっくりと話し始めた。