見上げた先の幸せ

「春?どったの?」
「うんん、なんでもない」

必死に取り繕いながら頑張って涙を止めようとする春を前に俺は中途半端な助け舟を出すのはダメな気がして春から話してくれるのを待つことにした。

「何でもないならいいけど」

10秒くらいして涙が落ち着いてきた春が俺の服の袖を握って口を開いた。

「ねぇ真斗、俺まだ頑張れるかな?」

「頑張れるよ。だって春は今まで頑張ってきたんだろ?毎日いろんな感情と戦って生きてきたんだろ?大丈夫!春は頑張れる!!」

きっとこれまで不安でたまらなかったんだろう。
1人でいると、余計なことを考えちゃうから、俺はその感覚をよく知ってるから。