見上げた先の幸せ

「幸樹、くんだよね?」
「………だ、れ」
「うーん、一度だけ会った事があるのだけれど覚えていないかな?伊藤って言うんだけど、遠い親戚だもんね」
「……赤ちゃんの?」
「そう!そうだよ!ところで幸樹くん。一度そこから手を離して、僕の手を握ってくれないかい?」

笑顔で真斗の父親だと名乗ったその人は笑顔で俺を抱きしめた。ただ、ぎゅっと。俺が泣き止むまで。

「落ち着いたかい?」
「…うん」

「幸樹くん、またお話しないかい?毎週この時間にここで」

「……いいの、かな。俺受験勉強しなきゃだし」
「いいんだよ。」
真斗のお父さん…真おじさは俺の言葉に対して食い気味に返事をくれた。