見上げた先の幸せ

「俺には勝ち目ないっすよ。だってあんたを探して、見つけたときの真斗の顔、あれは恋してる顔っすよ。俺はよくあの顔するんで分かるんです」

胡散臭い男は五秒間黙って、優しく笑って。 

「そっか」

とだけつぶやいた、噛みしめるように。

「でも分かんないよ。もしかしたらこれから冬璃くんのことを好きになるかもよ」

胡散臭い男はそう言いながら俺の隣に座った。

「いや、俺には分かります。何年間真斗に片想いしてきたと思ってるんすか」
「ふふっ、おもしろいこと言うね」
「あんたなんで真斗のこと好きなの?」
「…しょうがないなぁ、君にだけ話してあげるよ」