新しい男ができた途端、流れていた涙も止まり、好きだったことすら忘れていく。 あたしは最低で悲しい女だ。 だけどやっぱりあたしの中で、直也の存在は大きかった。 一緒にいる時はそれなりに幸せを感じたけれど、独りになると思い出す。 直也との思い出。 直也とのキス。 直也の温もり。 思い出しては涙を流し、まだ好きなんだと実感する。 その感情が隆に対しての裏切りだと分かっていても、涙を止めることはできなかった。