「もー!起きないと、遅刻しちゃうよ〜?」

ゆさゆさと、ベッドの上に転がっている物体を揺らす。

「ん……ーまだ寝るのぉー……」

眠っているのは、私の義弟の堀光(ほりひかる)
とても可愛くて、素直で本当の弟的な存在。

10歳の頃にお母さんの再婚で義弟になった光は、最初こそ警戒心は私にあった。
だけど……時が経つに連れ、信頼し、甘えてくれるようになった。

義弟とは言っても、数ヶ月の誕生日違い。だから、義弟というのも変だけど……。
そんな光は朝が苦手なので、私がいつも起こしてあげている。

けど、高校生になったいま……流石に、甘やかすことはできまいと厳しめに起こしている。

光は私の方向を見て口を開いた。
「……おはよ」 

にこっ……と、女の子が落ちてしまいそうな笑みを浮かべる。
きゅーん……っ! 

か、かわいすぎるっ……!

むくりと起き上がった光は私に抱きつく。
「下まで、連れて行ってよっ〜」
「かわ……んぐ、だ、だめだよっ!」
 
かわいいという言葉を飲み込み否定する。

いつまでもこんな生活続けてたら、いつか光が困っちゃうっ……。
「自分で起きて、自分で一階に行けるようにしないと、この後の生活困っちゃうよっ……!」
いつまでも、甘やかすことはできないっ……!