「できてない。もう一回」 紗希先輩は変わらない。 オーディションが終わって、正直、紗希先輩との関係が怖かった。 もともと特別仲が良かったわけじゃないけれど。 どう声をかけたらいいのかわからなかったし、今でもわからない。 そんなわたしにも紗希先輩は何も変えない。 相変わらず厳しいし、当然紗希先輩も上手い。 「そこ、ソロのところ。最後の音もっとしっかり吹いて」 「っ、はい」 ソロへのアドバイスだってたくさんくれる。