夏と先生と初恋。

終わっている、ということはちゃんと吹き切った、ということだと思う。


無我夢中すぎて、自分がどんな演奏をしたのかよく思い出せないけれど。


わたしにできる1番いい演奏ができた。


なんの根拠もないのに、不思議とそう思えた。



「これで、全部のオーディションが終わったね。オーディションの結果は、また明日発表します」



明日…


みんな上手かった。


すごく。


でもコンクールに出ることができるのは55人。


それは誰にも変えられない。


クラリネットを握る手に少しだけ力をこめる。


あとは、結果を待つだけだ。


きっと、大丈夫。





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「ひまり!」



オーディション終わりに、涼が廊下でわたしに駆け寄ってきた。



「…この前は言い過ぎた。ごめん」



保健室の時のことかな。



「涼は悪くないよ。涼は止めてくれてたのに、わたしが勝手に無理しただけだから」