恥ずかしくなって、シーツを被りながら表情を見せずにインタビューを続けることにした。

「わ、私が悪かったかもしれません。昨晩もレナード様は、私の話を聞いていただけですものね」

恥ずかしさで声が震えてしまうが、勝手に勘違いして軽蔑したのだから謝った方が良いかもしれない。

「そうですよ。私はミリアのために純潔を守り続けている乙女ですから」
彼の声が被ったシーツの上から聞こえてくる。

「ちょっと待ってください。今、嘘をつきましたね。レナード様は乙女ではなく男性ですよね」

私はシーツから顔を出して抗議した。

「嘘って、言葉のアヤですよね。私は4年前からミリア一筋ですよ。時にミリアは『2度と、私に話しかけないで。』という曲を知っていますか?」

彼の質問の意図がわからないが、私にはその曲がわからなかった。
私の知らない曲がまだあるだなんて、やはり彼は博識なのだ。

「申し訳ございません。不勉強で分かりません。歌詞に何か意味があるのですか? 随分と悲しい曲名ですが、悩みを抱えてますか? 私は、レナード様が女性関係の殺傷沙汰がなかったと言ったのが未だ信じられません。私に心配を掛けないようにいった嘘ではありませんか? 私にはどんどん心配をかけて欲しいです。私が一緒に解決策を考えますよ」

彼は女性の期待に応えようとする節がある。