「私を、窓から捨てるつもりですか? 言動に不備があったなら謝りますし、気に入らないのなら出て行きますから」
本当に怖くなって来た。
今日食べている食堂が2階にあることを思い出したのだ。

ここから落とされたら、きっと骨が折れるだろう。
彼のお姫様抱っこが雑すぎてしがみつかないと落ちそうだ。
温和で穏やかで、女性の扱いに長けていると思ったのは私の勘違いなのだろうか。

「怖いです。レナード。おろしてください」
私が懇願するようにしがみつくと、彼はやっと部屋のベッドの上に降ろしてくれた。