「そんなことしません。ただ、私がミリアとの時間が欲しいだけです」
彼が余計に強く私を抱きしめてくる。
今までの彼の一連の行動を考えても信用できるはずがない。

「では、その名において私には結婚するまで指1本触れないと誓ってください。約束を破った場合、私は脱走します。私には忍びの知識があるので可能です」

私は彼に私に触れないことを誓わせた。
私に触れられなければ、彼が自分の魅力を使って私を惑わすこともできなくなるだろう。

その状況ならば、私は彼の本当の弱みを握って婚約を破棄することに成功するかもしれない。