「レナード、久しぶりだな。ミリア・カルマンを連れてくるなんてやるじゃないか」
2人のそっくりな男達がレナードに駆け寄ってくる。
「兄上、私は思い焦がれた女性を射止めましたよ。お2人とも頑張ってくださいね」
3人が笑いあっている、兄弟とはこんなに仲が良いものなのだろうか。
いつも姉に利用され、彼女を羨み苦しんでいる私の姉妹関係とはかけ離れている。
それに、兄という目上の存在に対して頑張ってくださいなどと言って良いのだろうか。
私が姉にそんな言葉を使おうものなら、1週間は部屋に監禁され反省文を毎日のように書かされるだろう。
「レナード様はもしかして、お兄様がお2人いらっしゃるのですか?」
私が彼を見つめると察したように彼が屈んでくれたので、私は彼の耳元で囁くように尋ねることができた。
「ミリア、私はアーデン侯爵家の三男ですよ。もっと、私に興味をもってください。少し傷つきました」
ご家族の前なのに彼が私を抱きしめながら言ってくる。



