「堕ちてなどいかないでください、レナード様、あなたには余裕で笑っているのが似合っていますわ。私が敵になってもレナード様なら勝てますし、どんな時にも支えてくれる女が現れると思いますわ」

自分が彼のそばに寄り添っている姿を想像できないのに、他の誰かが彼に寄り添っているのを想像すると苦しかった。
でも、私が今彼にできることは彼を突き放すことだった。

だから、演技でも私に初めて愛していると言ってくれて、私のコンプレックスの瞳の色を好きだと言ってくれた彼を守りたい。
私は守られるよりも、守りたいと思う人間なのだ。

気がつけば、息もできないような口づけを彼から再び受け取っていた。
信じられないことに、私は彼の口づけを受け入れ彼の首に手を回していた。