「待ってください、儀式とは何ですか? もしかしてそこにロウソクは出てきますか?」
私は急に恐ろしくなった。
やはり、儀式は開催されていた。
おそらくアーデン侯爵家の闇とは妻が夫の欲望の全てを請け負うということだ。
それならば、たった1人の妻を大切にする清廉潔白なアーデン侯爵家のイメージを保持できる。
地下で儀式はおそらく連日連夜開催される。
「ロウソクはありますよ⋯⋯」
私は急にまた王子様の微笑みをしてきたレナードが怖くなった。
でも、私は彼と一緒になれるならそれでも良いかとどこかで思っていた。



