「レオです。レナード様のような優しい人になって欲しくてつけました」
私が考えた名前を発表すると彼は驚いた顔をしている。
「レオと言う名前を聞いて私の名前からとった思う人はいないと思います。まさに忍びの仕事ですね。ミリアらしさが出ていてなんだか愛おしい名前です」
実は可能性はないと聞いているが、女の子の名前も考えている。
エレナという名前だ。
エミリアーナ様のように聡明で、レナード様のように優しい女の子の名前だ。
そして、名前を考えている時に私は1つの願望が生まれた。
もしかして、私のミリアという名前は私を憎んでつけたのではないのではないかということだ。
そして、カルマン公爵家を出てここで暮らすうちに母はひきこもっているのではなく監禁されているのではと思ってきた。
全て私の願望かもしれないけれどレナード様に聞いてもらいたい。
「あの、私の願望による話なので違っているかもしれないのですが、私の母は私を憎んでミリアという名前をつけたのではない気がするのです。思えばカルマン公爵家は女性が引きこもれるような自由がある家庭ではありません。部屋から出てこないのであれば、それは監禁です。私の母は私が洗脳されて利用されると思って、子供につけるような名前ではない魔女の名前ミリアとつけたのではないでしょうか。私が、私を洗脳する魔女に気をつけられるように。母は私が紫色の瞳を持って生まれなかったことに失望し引きこもっていて、朝から晩までは母は私への恨み言を言っていると言われてました。それをそのまま信じていましたが、いつも本当はそんなことはなくて母は私を愛してくれているのだと期待していました」
レナード様が愛おしそうに私の髪を撫でてくる。



