皇宮でするにはかなり攻めた演技だった自覚がある。
でも、あの演技はもうできない。

レナード様とご一緒になるなら、勘違い女が妻だという噂でもたったら彼にとってマイナスだからだ。

「すみません。どうしてもミリアの演技がどういうものなのか気になってしまって仕方がないのですが、どのような演技をしたのですか?」

「簡単に申し上げますと、紫色の瞳になる薬を開発したから私も紫色の瞳になれます。今、私はお姫様気分の生活をしていて窮屈な生活をしているお姉さまに同情しています。どうぞポジションチェンジしましょう。私のような醜い娘に夢中になっているアーデン侯爵はお姉さまのような美しい方なら奴隷にできます。皇帝陛下はボケッとしてそうなので、私とお姉さまが入れ替わっても気がつかなそうです。というようなことを、偉そうな感じで話しました。姉は皇宮で危なっかしいことを言わないよう注意してきましたが、お姉さまが人払いしてましたよねと返しました。実は設定の醜いのに調子に乗った女というのを見たことがなかったので即席で想像しながら演技をしたのですが、恐らくそれが功をそうし彼女に恐怖心を与えたと思います」

研究不足だったので正しい演技ができたかは分からないが、姉からの呼び出しがないところをみると上手くいったようだ。

「ふふっ、ミリアは本当にすごいですね。それから、ミリアよく聞いてください。ミリアは醜くないです。とても可愛らしいですよ。毎日、繰り返して何度も言うので信じてください」

レナード様が笑いを堪えるようにしているが、何も私は面白いことを言った覚えがない。