「あの、姉は悪い魔女ではないですよ。可愛らしい童話を読んでいたりするのです。実は夢見る少女のような方だったりします。確か、魔女が姫を塔に閉じ込めて王子が助けるようなやつとかです。ちらっと見ただけなので魔法も使えない王子がどうして姫を助けられたかを読んでないのでどんな話か説明できませんが。そんなお話に夢見るような方だったりしますよ、秘密ですけど⋯⋯」

私はとにかく姉が悪い人ではないことをレナード様に説明した。

「『塔に閉じ込められたお姫様』ですね。知ってますよ。ミリアはどうやって王子が姫を助けたと思いますか?」

彼が私に密着しながら囁いてきて、私は縮こまってしまう。

「魔女とお姫様は血縁だったので、お姫様は魔法が使えると思います。だから王子と協力して塔を出たのではないでしょうか?」

私が言い終えると彼は私に口づけをしてきた。
正解だったということだろうか、とても素敵な口づけでうっとりしてしまった。