彼女を嫌いだという演技に比べれば簡単だからだ。
彼女はきっと俺からエメラルドの出る鉱山を譲ってもらえという命令を受けてる。
それなのに、彼女は底抜けに優しい人だから自分が叱責されようと俺の境遇のみを心配しているのだ。
恨まれている母親に恩を感じ、ひたすらに生きたいと命を重んじるミリアに人を駒のように扱うように真逆の洗脳をしたカルマン公爵が許せない。
いつも、気分屋で彼女を弄んでいる皇后陛下が許せない。
レナード・アーデンなら彼女を幸せにしてくれるはず。
彼女の不思議な魅了の力に屈して婚約したのではないと信じている。
本当は誰よりも優しく、情に深く、義理堅いのがミリアなのだ。



