「それって、私を振った人が言う言葉なの? とにかく、姉は実は私を守ってくれているということよ。だから、悪く言わないで欲しい」

逆に皇后陛下を褒める言動をとってみて、何かおかしいと本人に気がつかせるとかはどうか。

でも、その方法でまた逆に洗脳が深まったらと思うとできない。

毎日一緒に暮らしている、レナード・アーデンなら彼女が姉に洗脳されていることに気がつきそうだ。

特にこの呪いのような洗脳を解く方法が思いつかない俺では彼女の症状をより悪くする恐れがある。

やはり、この役目も王子様にお任せするしかないようだ。

「サイラス・バーグは中央で要職につくことを宣言します。カルマン公女、今日はあなたと踊れる光栄を頂きありがとうございました」

アカデミー時代、目標を言い合ったのを思い出し宣言をする。

思い悩んでいるうちにダンスは終わっていた。

とにかく、レナード・アーデンのように成人したらすぐ爵位を継承しできるようにしよう。

しっかりと力を示せば父上も認めてくれるかもしれない。

何か会った時、少しでも彼女を守れる地位にいなければならない。