彼はいつも彼女を心配そうにみつめていたし、俺と彼女の交際の噂がまわりに立っていないのも彼の仕業ではないかと思っていた。
「本当にあなたの頑張りが叶って嬉しいのよ」
そして彼女が今言っているこの言葉も真実だと、長い間一緒にいると分かってしまうのだ。
彼女は本当は誠実で王子様を一途に愛するお姫様でありたいと思っていて、本当は俺と付き合いたいとは絶対に思っていなかった。
俺は彼女を思いっきり抱きしめた。
本当は俺のことなど好きではないと分かっていて抱きしめたのだから、その代償に俺はこれから彼女のためならなんでもしようと思った。



