「ミリア、ガラス玉に過ぎない自分をルビーと偽ることに絶対に罪悪感を覚えないと誓いなさい。レナード・アーデンはたくさんの人間を騙して来た帝国最強の詐欺師よ」
姉はルビーのネックレスを2つ出しながら、私に説明しようとしてきた。
「右はレナード・アーデンが経営する宝飾品店のもの、左が他店のものよ。多少デザインに違いはあれど、ほとんど一緒に見えるでしょ。原価も加工する職人の腕もほとんど変わらないわよ。だけれど、レナード・アーデンの経営する宝飾品店のものの方が10倍以上の値段がするにも関わらず飛ぶように売れている」
宝飾品に全く興味がない私にはよくわからないがレナード様のお店のものだと聞いたあとだからか、右の宝飾品は左より10倍以上の価値があるように思えた。



