それをレナード様に解消させるのは忍びないが、ダンス拒否をしたことで彼が不満をもたれる方が嫌だ。
「あの今のレナード様の趣味は私ですか?」
私は姉の言う通り彼が私を本気で好きなことが信じられなくて、唐突に質問した。
私の突然の質問に彼が目を丸くしている。
「そうですよ、最近は趣味の時間が奪われて寂しかったです」
レナード様が私の手を握ってくるので、握り返した。
本当に、彼が私を好きだと信じて良いのだろうか。
胸が驚くほど高鳴るのを感じた。
私はサイラスに対して胸が高鳴ったことなどない。
だとしたら、前にレナード様が言った通り私は彼と結ばれたいなどとは思ってなかったということかもしれない。
「あの、今日から、また私の部屋に来てください」
私は、レナード様に恋をし始めていることに気がついていた。
彼が私をすきならば、この恋が加速しても大丈夫なはずだ。
もし、彼の気持ちが嘘だったら、私は立ち直れない。
「嬉しいです。ミリア。また、たくさんお話ししましょうね。あの、お願いがあるのですが聞いて貰って良いですか?」
彼が珍しく私に頼み事をしてくるというのだから、聞かないわけにはいかない。



