ラキアス皇帝陛下はのんびりしてそうだと思っていたが、やはり社交が苦手なのか。
彼は紫色の瞳を持って産まれた皇族だから、産まれた時点で粗末に扱われる未来がないからそんな性格かもしれない。
きっと、謎のベールに包まれたラキアス皇帝陛下の趣味は読書とかだろう。
「さあね、今の彼の趣味は私なんじゃない?」
私は声に出してラキアス皇帝陛下の趣味予想を呟いてしまったのか、姉が突然、彼の趣味について言及して来た。
趣味は私だなんて言える程、彼女は彼が自分に惚れ込んでいることを自覚している。
「ミリア、今の自分の立場をしっかりと自覚しなさい。周りはレナード・アーデンが婚約したことで、その相手に注目している。そして、あなたを見た時、思ったよりも大したことないと思うの。あなたは男性受けはしても女性からは憧れられるような見た目をしていない。だから、あなたをみた女は、あなたの中身に期待する。アーデン侯爵は女を外見で選ばない方で、きっと彼が選んだ女は自分がとても敵わないような女に違いないとね。今、帝国中があなたを見てるの。あなたは皆が屈するような、外見のハンディキャップを凌駕する能力を示さなければならないのよ」
私は周りに思ったより、大したことないと思われているらしい。
分かっていたけれど、改めて言われると傷つく。
能力を示すとはどうすれば良いのだろう、エミリアーナ様みたいにベストセラーになる経済書を書くとかだろうか。
でも、エミリアーナ様は誰もが振り向くような女性が憧れる見た目をしている。
大したことがない見た目の私はもっと何かをしなければならないと言うことだ。
「可能な限りの努力はしますが、具体的にどうすれば能力を示すことになるのでしょうか?」
自分ではどうすれば良いのか答えに辿りつけず、私は姉に助けを求めた。
「まずは、もっとアーデン侯爵夫人らしい事業をしなさい。刺繍サービスは確かに良いけれど、帝国一の大富豪の妻がする事業ではないわ。他の事業もはじめなさい」
刺繍サービスの事業が軌道にのったばかりなのに、他の事業もはじめなければならない。



