虐げられた私が姉の策略で結婚させられたら、スパダリ夫に溺愛され人生大逆転しました。



領地経営に関われるという喜びと、1ヶ月お姫様扱いされてきたことで調子にのって可笑しなことを言ってしまったかもしれない。
最初のダンス相手は婚約者である私だが、彼と踊りたい令嬢が今日も列をなしているのは明白だ。

「ミリアがそんなことを言ってくれるなんて嬉しいです。分かりました。今日はミリアとだけ踊りますね」

彼は了承してくれたが、そんなことが可能だとは思っていないし、まるで私が他の令嬢に嫉妬していると勘違いされたら嫌だ。

「姉がこの度皇后になりました。それにより、私は帝国唯一の公女として、帝国の貴族令嬢に対して監督責任があります。レナード様と踊りたい令嬢たちは、皆、婚約者がいる方もおられましょうに、その方を放ってあなたと踊る為に列に並んでいるのです。私にはその過ちを正す責務があります」

私はレナード様に対して特別な感情は持っていないはずだ。
ただ、目に余る令嬢たちの行動を正す役割が発生しただけのことだ。

「ミリアは本当に責任感が強いのですね。さあ、到着しましたよ。私のたった一人のお姫様」

彼にエスコートされながら、私は舞踏会の会場に向かった。

「ミリア、本当に美しいですね。あなたみたいなお姫様と踊れる幸運を他の男には譲りたくありません」

彼に密着されながら、彼の香りに包まれ耳元で囁かれる。
レナード様の王子スキルはやはり桁違いだった。

そして、ダンスが抜群にうまい。
私は第4皇子との比較しかできないが、比較するレベルでさえない。
レナード様のダンスはリードが上手くて彼に体を預けてれば形になってしまう。

これは、婚約者を放って彼と踊りたいと思う令嬢は責められないかもしれない。
それに明らかに私たちが踊るのを待って、列ができ始めている。