「ねぇ、天馬くん」


つい上目遣いで天馬くんを見る。


「その目……襲ってやろうか?」


襲う?


「意味わからねぇ?」


???


「教えてやる」


ここは保健室。(※カップルの穴場ではありません)


ベットのスプリングが少し揺れた。


真上に天馬くんの顔………。


天馬くんの手が足に触れた。


ひやっ…くすぐったいような感じ……。


今度は首筋、腰、足、天馬くんの指先がなぞられていく。


ちょ、ちょっと待って……!そんな意味を込めて天馬くんをぼうっと見つめる。


なんだか、夢の中にいるようでどこか現実味がない。


「その顔好き。俺のことだけ考えろ」


私の顔……?どんな顔なんだろう…。天馬くんのことでいっぱい……?


初めて天馬くんが私にやきもちを焼いてくれた時。


天馬くんに告白されてうれしかったとき。


私が天馬くんに告白して天馬くんが嬉しそうに笑った時。


思い返していると、口に柔らかいものが入り込んできた。


私、知らぬ間にき、キスされてたの!?


どんだけ夢の世界に入ってたんだ……。


「こーいうこと」


やっと舌と入れ替わるようにして酸素が送り込まれる。


うん、よくわからないけど、よくわかった気がする……!


「唯」


耳元でささやかれた声はいつもより一段と甘い。


「愛してる」


”愛してる”その一言だけでこんなにも私を満たしてくれるのはきっと天馬くんだけ。


私の彼氏は俺様で、甘々で、たまに意地悪だけど、優しいんです――!