君の事好きになっても良いですか?



一気に、戻ってきた。

「……あ……」

琴音の喉から、声にならない息が漏れる。

理央の優しい腕。
理央の暖かい温度。
理央の早くなる鼓動。

「……理央……」

その呼び方が、
自然に、口からこぼれた。

俺の身体が、固まる。

「琴音……?」

私は、顔を上げた。
涙で滲んだ視界の向こうに、
ずっと好きだった人がいる。

「思い出した……全部」

震える声で、でもはっきりと。

「花火も、告白も、」
「この場所も……」
「全部……失った記憶が」
「戻ったよ、理央。」

理央の目が、大きく見開かれる。

次の瞬間。

琴音は、
自分から俺に顔を近づけてきた。

そして……

唇が、触れる。

迷いのない、
でもとても優しいキス。

一瞬で、
世界が静かになる。

唇が離れたあと、
琴音は微笑んだ。

「……もう一度じゃないよ。」


理央の頬に、そっと手を添える。

「私はずっと、」
「理央のこと、好きだった。」
「理央、この気持ち記憶飛んじゃって」
「ごめん……。」
「辛い思いさせてしまって」
「ごめんね。」

そう、涙を浮かべながら琴音は言う。


理央は、
何も言えなくなった。

ただ……
強く……強く……
琴音を抱きしめていた。

夕焼けの空の下。
思い出の丘で。

失われた時間も、
遠回りした想いも。

全部抱きしめて、
俺は心の底から琴音に伝える。

「琴音……愛してる。」


すると、俺の彼女は今までで
最高の笑顔を俺に見せながら
応える。


「私も……!」
「理央の事一生愛してる。」


俺と琴音の恋は……
もう一度、ここから続いていく。



君の事好きになっても良いですか?

END