照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 そう思ったけれど、どう声をかければいいのかわからずに、背負ったランドセルの肩ひもをぎゅっと握った。

 口を開きかけ、勇気が出せずに唇を噛む。そんなことを繰り返していると、真帆ちゃんが俺に気付いて瞬きをした。

『海斗くん』

 にこりと笑い、俺の名前を呼ぶ。その声の柔らかさに、胸がぎゅっと苦しくなる。

『学校帰り?』

 問いかけにうなずき、そろそろと彼女に近づく。

『あの……っ』

 なにか話さなきゃと思い口を開いたけれど、うまく言葉がでなかった。

『川面に夕日が反射して、綺麗だなぁって思ってたんだ』

 真帆ちゃんは視線を俺から川のほうに向けそう言う。緩やかな川の流れは、西から差し込む光を反射して、キラキラと光っていた。

 俺は小さくうなずき口を開く。

『……綺麗なものを見ると、さみしくなるよね』

 自分が強いさみしさを感じるのは、綺麗なものを見たときだった。

 雨上がりの空に現れた虹や、角の家の庭に咲いたライラック。東の空に上ったオレンジ色の大きな満月。