照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「すごく綺麗だった。真帆ちゃんは、俺なんかが触れちゃいけない高嶺の花で、手の届かない世界の人だって……」
「――高嶺の花なんかじゃない」

 俺の言葉を、真帆ちゃんは固い声で遮った。

 いつも穏やかで優しい彼女らしくない、頑なな口調だった。

「真帆ちゃん……?」

 戸惑っていると、真帆ちゃんは「ごめん」と短く言って寝返りを打つ。

「眠くなったから、寝るね」

 そう言う彼女の背中から、それ以上の会話を拒絶しているのが伝わってきた。

 俺の言葉が彼女を傷つけてしまったんだろうかと不安になる。

 なんて声をかけるべきか迷い、結局なにも思いつかず息を吐き出す。

「わかった。邪魔だろうから、そろそろ帰るね」

 不器用な自分に悔しさを覚えながら立ち上がった。

 これ以上居座っても迷惑なだけだとわかっているのに、もう少しだけそばにいたいという気持ちがわき上がる。