照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 彼女の瞳が緩んでいくのがわかった。

「眠くなってきた?」

 俺の問いかけに小さくうなずく。

「寝ていいよ。俺はすぐに帰るから」

 安心させたくてそう言うと、彼女のまぶたがゆっくりと閉じた。

 頬にかかった髪が風に揺れる。その髪が邪魔かもしれないと思い、そっと手を伸ばす。

 柔らかい頬に指が触れた。火照った頬の感触に胸の奥がきゅっと苦しくなる。

 窓から風が吹き込み、レースのカーテンがふくらんだ。その光景に、ウエディングドレス姿で幸せそうに微笑む真帆ちゃんの姿が重なった。

「……真帆ちゃんは、俺なんかが触れちゃいけない高嶺の花だよな」

 思わずもれたひとり言に、真帆ちゃんがゆっくりとまぶたを開いた。首を動かし、とろんとした表情で俺を見上げる。

「高嶺の花って、なに……?」
「涼成から、結婚式の写真を見せてもらった」

 俺がそう言うと、真帆ちゃんは小さく首をかしげた。