照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 俺の問いかけに真帆ちゃんは「体温計がなくて」と気まずそうに視線をそらす。

 ほとんど物がない部屋を見回して、ため息をついた。

 この様子じゃ体温計どころか、風邪薬や解熱剤も常備してなさそうだ。

 コンビニではなくドラッグストアに寄って、いろいろ買ってくればよかったと後悔する。

 真帆ちゃんは体調を崩し、買い物に行く気力もなく、ひとりきりで寝ていたんだろう。それなのに大丈夫と強がっていたんだ。

 実家も近いし、俺もいる。頼るあてはいくらでもあるのに。

「具合が悪いなら、素直にそう言ってくれればいいのに」
「でも、迷惑かけたくないし、うつしたら悪いし……」

 彼女の不器用さが歯がゆくて唇を噛んだ。

「とりあえず、寝て」

 ふらつく彼女の腕をつかみベッドに座らせる。

 その体は熱く、額に手を当てるまでもなく高熱だとわかった。細く頼りない腕の感触に、胸が締めつけられる。

「食欲はある?」
「……あんまり、かな」
「じゃあ、せめて水分はちゃんと摂って」