照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「言い返せなくなると『弟のくせに』って言葉で片づけようとするの、昔から変わってねぇよな」

 図星を指され「ぐぅ……っ」と黙り込む。

 私と涼成が睨み合っていると、美雪ちゃんが「まぁまぁ」と間に割って入ってくれた。

「いい男を見つけろって言ったって、東京とちがってこの街じゃ出会いもないよね」

 そんな話をしていると、母がやってくる。

「いい男といえば、真帆。あんた、アパートの近くの交番の前は通った?」

 母の唐突な質問に、首をかしげながらうなずいた。

「うん、通ったよ。若いおまわりさんが立ってたけど……」

 百八十五センチはありそうな長身に、鍛えられた体。そしてまっすぐに前を見つめる精悍で男らしい顔立ち。

 実直で真面目で頼もしいけど、ちょっと堅物そう。そんな警察官のイメージをそのまま体現しているようなおまわりさん。

 どこかで会ったことがあるような気がしたけど、その既視感の正体は結局わからないままだった。