照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 インターフォンを鳴らすと、ドアの向こうで物音がして扉が開いた。

 そこには、顔を赤くし呼吸を乱したパジャマ姿の真帆ちゃんが立っていた。

 額には汗がにじみ、目もとが赤く腫れている。

「ごめんね、わざわざ……。でも、ほんと大したことないんだよ」

 ふらつきながらも元気に振る舞おうとする彼女に、奥歯を噛みしめる。

 こんなに具合が悪そうなのに、平気なふりをするなんて。本当に、人に頼るのが下手すぎる。

「これ、買ってきた」
「……ありがとう」

 真帆ちゃんは俺が差し出したビニール袋を、申し訳なさそうに受け取る。けれど、熱のせいで力が入らないのか、持った途端バランスを崩してふらついた。

「大丈夫?」

 慌てて真帆ちゃんの体を支え、顔をのぞき込む。

「ご、ごめ……」

 謝ってばかりの彼女に首を横に振った。

「とりあえず、買ってきたものを中まで運ばせて」と言って、上がらせてもらう。
「熱は測った?」