照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 今日は残業なのかな。それともお休みをとっているとか……?

 会社員とはいえ、有休をとったり予定が変わる日もあるだろう。決まった時間に交番の前を通らなくたっておかしくないけれど、彼女が姿を現さなかったことがなんだか妙に気になった。

 当直を終えた朝。警察署で私服に着替えている最中も、その胸のざわつきは収まらない。

 気のせいかもしれない。……でも、もしもなにかあったら。

 迷惑だと思われても、あとから後悔するよりましだ。そう思い、ロッカーからスマホを取り出す。

 真帆ちゃんとは、以前彼女の実家でご飯を食べたときに連絡先を交換していた。

 少し緊張しながら、遠山真帆という名前をタップする。

『……はい』

 数回の呼び出し音のあとに聞こえてきた声は、あきらかにかすれていた。

 鼻声で、どこか息が浅い。

「真帆ちゃん、大丈夫?」
『ええと、大丈夫って……?』
「いつもの時間に交番の前を通らなかったから、気になって」