照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 俺は無愛想で、無口で、不器用で。気の利いた言葉も言えないし、好きという気持ちもうまく伝えられない。恋人ができても長続きせず、〝一緒にいてもつまらない〟という理由で振られる。

 そんな俺が、真帆ちゃんに相手にされるわけがない。

 ぎゅっと手のひらを握りしめると、写真を見下ろしながら涼成が口を開く。

「姉ちゃんは元旦那のことを……」

 涼成の言葉の続きを聞きたくなくて、「ありがとう」と遮るようにアルバムを閉じた。

「ブラウスは、ちゃんと真帆ちゃんに渡しておくから」
「海斗。俺が話してんだから、ちゃんと聞けよ」

 不満そうに言う涼成に、「明日は当直だから、そろそろ帰る」と言って背を向けた。


 ――姉ちゃんは元旦那のことを、今でも好きなんだ。


 そう言われるかもしれない。想像するだけで胸が痛み、とても涼成の話の続きを聞く気にはなれなかった。


 



 それからいつも通りの日常に戻った。