照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 彼女は今、あのなにもない部屋でひとり、なにを思っているんだろう。

「真帆ちゃん。離婚したときに、全部置いてきたって言ってた」

 それは単純に荷物のことだけを言っているんじゃなく、もっと深い意味がある気がした。

 俺の言葉に、涼成が「……そっか」とつぶやく。

 その横顔からは、涼成の複雑な気持ちが伝わってきた。

 なぜ真帆ちゃんが離婚したのか。そしてどうしてあんなさみしい部屋で暮らしているのか。涼成は理由を知っているんだろう。

「……なぁ、真帆ちゃんの元旦那って、どんな人だった?」

 俺の問いかけに、涼成は「どんなって言われてもなぁ」と少しだけ口ごもる。

「まともに会ったのは二、三回だから、正直あんまり知らない」
「でも、会ったときの印象とかあるだろ。あと、結婚式の写真とか」
「あるはあるけど……、見たいか?」

 少し迷ってから「見たい」とうなずく。

 涼成は「しゃあねぇなあ」と言い、家からアルバムを持ってきてくれた。

 ページを開いた俺は、息をのむ。