照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 途中で真帆ちゃんは我に返ったように距離を取ってくれたけど、動揺が顔に出ていなかっただろうか。不安が込み上げ、落ち着かなくなる。

 彼女は俺の心配をしてくれただけなのに、過剰に意識してしまうなんて。

「ほんと、情けなさすぎる……」

 空を見上げながらそうつぶやいた。


 


 さっき歩いたばかりの道を戻り、真帆ちゃんの実家が見えてくると、玄関の前で涼成が俺のことを待っていた。

 軽く手を上げて近づく俺に、「おう」と涼成が笑う。

「悪いな。これ姉ちゃんのブラウス」

 そう言って、ブラウスが入った紙袋を手渡された。

「電話したとき、姉ちゃんの部屋にいたんだな。もしかして俺、邪魔した?」

 涼成がにやにやしながら俺を見る。

 かなり気まずい空気だったから、邪魔どころか助かった。だけど素直にそう認めるのはなんだか癪(しゃく)で、「いや、別に」と首を横に振る。

 そして、ふと思い立ち、涼成に話しかけた。

「真帆ちゃんの部屋、なにもなかった」