照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 涼成の言葉に憤慨していると、キッチンから出てきた美雪ちゃんが「さみしいならわざわざひとり暮らししないで、真帆さんもこの家で暮らせばいいのに」と言う。

「いや、それは無理だよ。出戻りの小姑が同居するなんて、迷惑でしかないでしょ」
「小姑って。真帆さんぜんぜんそんな感じじゃないし。陽太も懐いてるから、一緒に暮らしてくれたら賑やかでうれしいよ」

 私と美雪ちゃんが話していると、涼成が「そうやって姉ちゃんを甘やかさなくていい」と口を挟んできた。

「なによ、甘やかすって」
「姉ちゃんはさっさといい男を見つけて、再婚しろ」

 容赦のない弟に顔をしかめる。

「私は一度失敗してもうこりたの。結婚も恋愛もする気がないし、これからはひとりの人生を楽しむんだから、放っておいて」
「人に頼るのも弱音を吐くのも下手で、ほっとくと強がって限界まで我慢する姉ちゃんが、ひとりの人生を楽しむなんて無理だろ」
「……ちょっと、弟のくせに生意気なんだけど」