照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 あと数センチで彼の鼻先に私の胸が触れそうな状況だ。いくらなんでも距離が近すぎる。

「あ……っ、ごめん!」

 慌てて彼から離れて謝ると、海斗くんはうつむきながら体を起こした。

「いや、俺こそちゃんと支えられなくてごめん」

 お互いに謝りながらも、視線を合わせられなかった。気まずい空気が部屋に流れる。

 どうしよう。頬が熱い。なにか言わなきゃ。でも、言葉が出てこない。

 なにもない静かな部屋で、心臓の音だけがやけに大きく響く。

 視線をそらし黙り込んでいると、突然部屋に着信音が響いた。

 びくっと跳び上がり、慌ててバッグからスマホを取り出す。

 そんな私を見て、海斗くんが「電話?」とたずねてきた。

「うん、涼成から」

 気まずい沈黙が途切れ、少しほっとしながらスマホを耳に当てる。

 通話が繋がった途端、涼成は挨拶もなしに『仕事用のブラウスうちに忘れてるぞ』と用件を切り出す。

「あ、そうだった」