照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 あれから十六年も経ったのに、ついつい子ども扱いしてしまいそうになる。

「今住んでるのは、警察の寮とか?」
「新人の頃は独身寮だったけど、今はひとり暮らしをしてる。寮の部屋には限りがあるし、プライベートもあんまりないし」
「寮だとプライベートがないんだ」
「先輩に部屋に押しかけられて、そのまま強制的に飲み会とか、よくあった」

 渋い顔をする海斗くんを見て、「体育会系って感じだね」と笑う。

「そういえば、海斗くんはどうして警察官になったの?」

 小さくて引っ込み思案だった子どもの頃を知っているから、彼が警察官という職業を選んだことが意外でたずねる。

「それは……」

 海斗くんは顔を上げ、まっすぐに私を見た。

「悲しんでいる人を守れるような、強くて頼もしい男になりたいと思ったから」

 真剣な視線を向けられ、心臓のあたりが小さな音をたてる。頬に熱が集まるのを感じ、慌てて笑顔を作った。

「そ、そっか。優しい海斗くんらしい理由だね」