照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「真帆、飲み物だけ自分で用意して」

 母から言われ、「はーい」と返事をして冷蔵庫を開いた。

「まほちゃーん」

 麦茶を取り出していると、かわいい声で名前を呼ばれた。駆け寄ってきたのは、四歳になる甥っ子の陽太くん。無邪気な彼の笑顔に目じりが下がる。

「陽太くん、こんにちは」
「こんにちは!」
「今日も元気でかわいいねぇ」
「まほちゃんも、かわいいよ」

 天使のような笑顔で言われ、たまらずその場に崩れ落ちた。私は顔をしかめながら、撃ち抜かれた心臓を押さえる。

「どうしたの? まほちゃん」
「ごめんね、陽太くんが天使すぎて悶(もだ)えてたの。ね、陽太くん。うちに来ておばちゃんと一緒に暮らさない?」

 私が真顔で言うと、「なにバカなこと言ってんだ」と涼成に冷たい視線を向けられた。

「バカって失礼な。さみしくひとり暮らしをしてるんだから、少しくらい癒やしを求めたっていいじゃない」