照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「海斗くんは背が高くてスタイルがいいから、シンプルな服装でもかっこいいよね」

 私が納得してうなずくと、海斗くんが言葉を詰まらせた。
 口もとを手の甲で隠し、黙り込む。

「どうかした?」

 首をかしげた私を見て、海斗くんは大きく息を吐き出し「なんでもない」と首を横に振った。

「それにしても、大人になった海斗くんに『真帆ちゃん』って呼ばれるの、なんだか不思議な感じがするね」

 なんの気なしに言った途端、海斗くんの足が止まる。

 どうしたんだろうと振り返ると、彼は不安そうな表情でこちらを見ていた。

「馴れ馴れしいから、名前で呼ぶのはやめたほうがいい?」

 予想外の反応に、きょとんとしながら首を横に振る。

「ううん、そうじゃないけど。私もいい年だし、ちゃんづけじゃなくて、真帆って呼んでくれてもいいよ」

 私がそう言うと、海斗くんの表情が険しくなった。

「いや、真帆なんて無理だろ……」

 低い声でつぶやきながら、私から目をそらす。