照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「あれからもう十六年も経ったんだよね」

 時間の流れは早いなぁとため息をつく私に、海斗くんが深く頭を下げた。

「真帆ちゃん、あの頃は本当にありがとう」

 そんな海斗くんに、私は慌てて首を横に振る。

「そんな、改まってお礼なんて言わなくていいよ。頼まれてもいないのに、私が勝手にしただけだし」
「だけど、本当にうれしかったから。真帆ちゃんには今でも感謝してる」

 海斗くんにまっすぐに見つめられ、胸のあたりが温かくなった。




 食事を終え「そろそろ帰ろうかな」と立ち上がると、海斗くんが「送っていく」と言ってくれた。

「え、大丈夫だよ」
「でも、さっきみたいなことがあると困るし」

 たしかに今日は男の人に声をかけられ怖い思いをしたけど、ちゃんと警察が対応し署で聞き取りをしてくれた。さすがにもう同じようなことをする心配はないと思う。

 私は遠慮しようとしたけれど、「念のために送らせてほしい」とまっすぐに見つめられた。

「姉ちゃん、黙って甘えとけ」