照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「いやだって……。海斗くんだって、十数年ぶりに会った知り合いに、いきなり馴れ馴れしくされても迷惑でしょ」

 私がそう言うと、海斗くんが慌てたように手を振る。

「め、迷惑なんて、俺はそんなこと思ってない……!」

 硬い表情のまま必死に否定する海斗くんを見て、私は「え?」と首をかしげた。

「ただ、その……。真帆ちゃんに会うのは久しぶりだったから、どのタイミングで敬語をやめればいいのかわからなくて……」

 視線を落としてそう言う海斗くんは、小さな体で涼成の後ろに隠れていた小学生の頃のままだった。

 顔つきも体格も大人になり、今ではすっかり頼もしい警察官なのに、中身は変わっていないんだなと思うと、なんだか微笑ましくなる。

「海斗は昔から、姉ちゃんと話すときだけ緊張するもんな」

 涼成の言葉に、海斗くんは「余計なこと言うなよ」と顔をしかめた。

「え、海斗くん。そんなに私が怖い?」

 たしかにいつも涼成を口うるさく叱っていたけど、まさか緊張するほど怯えられていたとは。